JAL不当解雇撤回裁判の経過
JAL不当解雇撤回裁判の経過
1青字は不当労働行為裁判(行政訴訟)
2文中、元最高裁判事/甲斐中氏の表記について・・
日本航空は再建にあたりコンプライアンス調査委員会を設置しました。この委員会の中に、元最高裁判事/甲斐中辰夫氏が
入っていました。そして地裁前に取締役に就任・最高裁決定直後に退任となっています。ここでは裁判への影響を疑ってい
るのではなく、事実のみを記載しました。
2010.01.19 ・JAL経営破綻、会社更生法の適用。3年間でJALグループ全体で15,700人の削減案策定。
2010.06.30 ・社内で既に整理解雇を想定し、計画。(法廷での証言)
2010.12.08 ・都労委へ不当労働行為救済の申立(管財人による争議権への介入行為)
2010.12.31 ・パイロット81名、客室乗務員84名を解雇
2011.01.19 ・東京地裁に148名(パイロット76名、客室乗務員72名)が提訴
2011.08.03 ・東京都労働員会よりJALに対し不当労働行為救済命令
2011.09 ・JALは都労委を東京地裁へ提訴
2012.02 ・元最高裁判事/甲斐中辰夫氏日本航空取締役就任
2012.03.29 ・パイロット訴訟判決(民事第36部/渡辺弘裁判長)★
2012.03.30 ・客室乗務員訴訟判決(民事第11部/白石 哲裁判長)★
★《解雇に合理性があるとした地裁判決の特徴》以下、下線部分は注釈
〜整理解雇法理の適用はあるとしながら、内容は四要件に従った判断を何一つしていないという矛盾に
満ちた判決〜
・複数の利害関係人の犠牲と負担を強いながら、公的資金も投入しての更生手続き下の整理解雇という事案の
特殊性、破綻の事実が重要な要素として考慮されるべきである。(国の施策や経営責任による破綻原因には
一切ふれていない)
・人員削減の必要性は相当に高いものであった。管財人の合理的な経営判断で実施された。(希望退職者や自
然退職者数で人員削減目標は超過達成されていた)
・稲盛会長(当時)発言「経営上、解雇する必要はなかった」は、主観的心情を吐露したに過ぎないもので、
人員削減の必要性を否定する事はできない。(解雇時点で目標641億円を大きく上回る1,586億円の営業利
益を上げていた)
・(本件解雇を含む事業規模縮小は)いわば、一度沈んだ船である被告(JAL)が二度と沈まないようにす
るため必要不可欠のものであった。(経営責任には触れず。2011.3月までの更生計画を前倒しして、解雇
を強行した)
・年齢差別を容認し、専門職としての経験を軽視している。
2012.04.11 ・東京高裁へ141名が控訴(パイロット70名、客室乗務員71名)
2014.06.03 ・客室乗務員控訴審判決(第5民事部/大竹たかし裁判長、当初5月15日の予定が延期された)★
2014.06.05 ・パイロット控訴審判決(第24民事部/三輪 和雄裁判長)★
★《地裁判決を踏襲した高裁判決の特徴》
・更生手続き下では管財人の裁量的判断を無限定的に容認(客乗)
・更生計画で定めた以上、解雇は有効(パイロット)
・解雇時点で余剰人員が存在していたかどうか、という最も重要な事実の立証責任をJALに求めなかった。原
告側が提出した実人数が必要人数を既に下回っており解雇は必要なかった事実を「推定」に過ぎないと判断
2014.06.17 ・最高裁へ135名が上告、上告受理申し立て(パイロット64名、客室乗務員71名)
2014.08.22 ・客乗訴訟/上告理由書、上告受理申立理由書提出
2014.08.28 ・東京地裁、管財人の不当労働行為を断罪(民事19部古久保裁判長)
(内容)「争議権を確立したら企業再生支援機構は3,500億円の出資はしない」とする支援機構・JALの発
言は不当労働行為である。
2014.09 ・JALは高裁へ控訴
2014.09.03 ・パイロット訴訟/上告理由書、上告受理申立理由書提出
2014.10.08 ・客乗訴訟/記録到着通知、第二小法廷に係属
2014.11.13 ・パイロット訴訟/ 〃、第一〃
2015.02.04 ・客乗訴訟/上告棄却、不受理決定(記録到着から4か月未満)★
2015.02.05 ・パイロット訴訟/〃、〃(記録到着から3か月未満)★
★《最高裁決定の特徴》
3〜4か月未満という異例の早さでの決定、しかも3行半のみという文面からも実質的な審理は行なわれて
いないと伺える。この解雇を有効とさせたい強固な意志表示と見える。
2015.02 ・最高裁決定が出された直後、元最高裁判事/甲斐中辰夫氏 日本航空取締役退任
2015.6.18 ・東京高裁は東京地裁判決を指示し、都労委の救済命令取り消しを求めた日本航空の請求を棄却する判決を下
しました。
2015.6.18作成